どれ程の必要が。

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ガジェットクロニクル2【W-ZERO3編】


過去お世話になったモバイルデバイスを振り返る本企画、
2回目となる今回はスマートフォン編の予定だったんですが、長くなりそうだったので分けることにします。
まずは「スマートフォン編・前編」として、思い入れの強い「W-ZERO3」シリーズから。個人的に過去のスマートフォン遍歴=W-ZERO3シリーズ、と言ってしまっていいくらい同シリーズへの思い入れが強いです。
立ち上げから付き合い始め終わりまでを見届けたのは、たぶんこれが最初で最後。
簡単な端末概要と思い出含め、振り返って行きたいと思います。

W-ZERO3 / WS003SH (SHARP)

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自分は所謂「PDA」世代の人間ではなく、このW-ZERO3から初めて本格的にモバイル端末を意識し始めたんですが、京ぽん、京ぽん2という布石を経て初めて手にした「スマートフォン」は本当に革命的でした。
2005年発売。これを売っていこうとしているウィルコムというキャリアの面白さ、「なんだこいつら…」という「ムチャクチャ感」に感銘を受けたことを覚えています。

デバイス自体は、とにかくデカくて厚くて、メカニカルなスライドキーボードがやたらと人目を引きました。買った直後は「ソレ電話なの?デッカw」と周囲からよく言われたものです。画面サイズは3.7インチと、5インチ級の端末が普通になったいまから考えれば小さいくらいですが、当時としては異形の端末だったんですね。
OSはWindows Mobile 5.0。いまみたいな「アプリマーケット」がある訳でもなく、国内外の有志の方が作ったアプリケーションをネットから拾ってきて入れるんですが、主にPDA方面から流れてきた先人たちのブログを参考にさせて頂いて、とにかく少しでも動作が軽く、少しでも便利になるように、カスタマイズに試行錯誤の日々でした。
この後に続く同シリーズすべてに共通してますが、画面はいま主流の静電タッチパネルではなくて感圧式のもの。先の尖ったスタイラスペンで、暇さえあれば画面を突き回していました。

W-ZERO3[es] / WS007SH (SHARP)

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2006年発売。デカくて分厚すぎた初代から、日本での需要を鑑みてか小型化を図ったモデル。フロントにテンキーが追加され、縦持ち時には片手で操作可能なサイズまでダウンサイジングされています。画面サイズは2.8インチ。
小型化に伴い無線LANが省かれてしまったものの、後に外付けのminiSDカード型無線LANアダプタが発売されたことが印象的でした(そして買いました)。
モバイルデバイスなのに外付け機器で機能拡張とか何それ頭おかしい、と思って感銘を受けたことを覚えています。

Advanced W-ZERO3[es] / WS011SH (SHARP)

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2007年発売。通称「アドエス」。ブラウニーブラックの発売日に新宿のヨドバシで並んで購入しました。
発売当時はシルバーしかなくて結構悩んだんですが、数カ月後にブラウニーブラックが発表されて待って良かった!と歓喜した記憶があります。

シリーズ中最も長く使った端末です。2010年の終わり頃にHYBRID W-ZERO3を購入するまで使い続けたので、丸3年使ったことになります。
前2機種から飛躍的にデザインが洗練されて更に小さく、かつ画面は無印[es]よりも大きい3.0インチに。無線LANアダプタも内蔵されました。
機能的には実は特筆することはあまりないんですが、Windows Mobileの扱いに長けてきたこと、個人的にとても収まりの良いサイズ感で常に触っていたくなるような端末だったこと、キーボードのクリック感が非常に秀逸だったことなどが長期の使用に耐え得た要因なのかなと思います。単純に後続モデルのWILLCOM 03の購入を見送ったこともありますが。

手持ちのPCゲームを無理やりコンバートして遊んだり、出始めたばかりのストリートビューアプリで秋葉原を散歩してみたり。あーでもないこーでもないと、職場の友人たちとワイワイモバイル談義していたことを懐かしく思い出します。

晩年は一般化してきたBluetoothをどうしても使いたくて、やっぱり外付けで拡張して使ったりもしていました。アダプタがMONOの消しゴムくらいのサイズで、友人に「消しゴム付いてるwww」と苦笑されたりしたのも良い思い出です。殿堂入り。

HYBRID W-ZERO3 / WS027SH (SHARP)

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2010年発売。通称「灰鰤」。殿堂入り。
個人的にシリーズ中いちばん思い入れのある、ウィルコムが最後に残した不遇の端末です。
世間ではdocomoからXPERIAが発売されたりと、大手3キャリアが本腰を入れてAndroidのスマートフォンを売り始めた年でした。
ここで改めて書くまでもない話ではありますが、iPhoneやAndroidスマホの台頭でWindows Mobileが急速に「過去のもの」となりつつあったんですね。

コンセプトと質感は本当に良かったんですが、ソフトとハードが噛み合わないような齟齬があちこちに見受けられる端末でした。というか、このころ台頭してきたパワーのあるCPU(SnapdragonS1)が採用されなかったことが主な敗因だと思います。アプリやコンテンツが急速にリッチになっていく中で、とにかくあらゆる局面でパワー不足がどうしても否めませんでした。
シリーズ当初はメリットだった「PHS」という通信方式がこの頃には足枷になっているように思えたのも皮肉な話。とにかくSIMがデカイ、通信がムチャクチャ遅いという苦悩を抱えつつ、解決策として3G回線も使えるようにしてこのサイズに収めたこと、QWERTYは切り捨てつつも物理キーボード自体は残したことなど、「やれる範囲で精一杯やった」感がひしひしと伝わってきて、なんとも物悲しい気持ちになったものです。

この端末を最後にW-ZERO3シリーズの新作が発表されないまま、ウィルコムは2014にEMOBILEと共にソフトバンクに吸収合併されました。

     *  *  *

新規購入を見送った端末

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アドエスの後継機種である「WILLCOM 03 / WS020SH」のみ、スペック的にアドエスとほとんど変わらないという理由で新規購入を見送りました。
QWERTYキーボードの打鍵感がグニッとした感触で、イマイチ自分に合わなかったというのもあります。後日白ロムで購入しましたが、やっぱりあまり使わず。
しかしながらキャッチーなカラバリ展開を行った効果か、自分の周りには結構使っている人がいた気がします。うちの親父とか。

何に使ってたんだろう

初代W-ZERO3発売からもう10年も経つんですね。
でもこうして思い返すと、もうこの頃からやってることはいまとあまり変わらない気がします。
即ちキーボードやマウスなど外付けデバイスを繋いで小型PCとしてテキスト編集する、シーケンサーソフトを使って曲の打ち込みをする、音楽再生アプリを使って普段の音楽鑑賞やライブのオケ出しに使う、など。

動画再生も試行錯誤しましたが、このころはまだパワー不足でまともに再生できなかったんだよね。いまは呼吸するくらい当たり前に誰もがYoutubeやニコ動をスマートフォンで観てますが、これって凄いことなんだよなあと改めて実感。
マルチデバイスの全能感、カスタマイズすること、追求することの楽しさを存分に味あわせてもらいました。

ウィルコム終了の報を知った際にツイートもしましたが改めて。
W-ZERO3シリーズには感謝しかないです。
楽しい思い出を本当、ありがとうございました!

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