2017年最初のレビューは、モトローラが2014年に発売したスマートウォッチ「Moto 360」です。
真円デザインが美しい第一世代。
これ凄いです。スゲー格好良い。さすがに話題になっただけあって、ガジェットとしても時計としても噂に違わず凄く格好良くて、ずっと着けていたくなるような洗練された「モノ」としての魅力を感じます。
もう3年近く前のモデルなんですが、2017年1月現在において本機を使うにあたって注意すべきこと、購入した経緯や使用感を含めレビューしていきたいと思います。
そもそも何故いま「Moto 360 (1st gen)」なのか
自分は昨年1月から中華スマートウォッチ「U8」を愛用してきました。
とにかく安価で、かつスマートウォッチに求める機能はバッチリ満たしており、非常に便利に使っていたんですが、夏に購入した現在のメインスマホ「Moto G4 Plus」と相性が悪く、通知が一切来ない状態になってしまっていたんですね。
設定を詰め直したり接続アプリを数種試したのですがうまくいかず、やむなく代替となる機種を探していました。
そこでふと「Moto360っていまどうなってるんだろう…」と思い出した訳です。
発売当時はかなりあこがれたんですが、いかんせん高価で(個人輸入以外だとAmazonで6万とかしました)、用途から考えてもちょっと手を出しにくい存在でした。
しかしながら、既に後継機が出た現在ではだいぶ値下がりしていることが判明。
Amazonではこんな値段です。
自分の場合とにかく通知が来れば充分なので、現行機種と比べて低スペックな部分(主にCPU)も気にならず、また賛否分かれるところとは思いますが、個人的にはビジュアル的にも真円デザインの1stの方が好みだったこともあり、今回購入に踏み切りました。
開封~概観チェック
そんな訳で上にリンクを貼った、Amazonの並行輸入品を購入。
46ミリと42ミリの2サイズ展開している後継機(2nd)とは異なり、1stは46ミリの1サイズのみとなります。
本体カラーはシルバー・ゴールド・ブラックで、幅や素材・色の異なるベルトととの組み合わせが豊富にあることが特徴のひとつです。
面白いのはAmazonで購入する場合、人気度(?)によって値段が異なること。レビュー記事を見ているとメタルバンドが人気のようで、レザーを購入した後に自身でメタルバンドへ交換している人も少なからず見受けられます。
自分の場合は寒冷地に住んでおり、メタルバンドの時計はちょっとしんどいのでレザー一択。値段と見た目の折り合いが良く、カジュアルにもフォーマルにも合わせやすそうなストーンレザーをチョイスしました。
注文から4日ほどで無事に到着。ボックスも時計のデザインを意識した円筒型です。
付属品はこんな感じ。
非接触型充電を行う端末はこれが初めてなんですが、置くだけで良いので便利ですね。
「Qi」=「チー」って読むのを初めて知りましたw
イヤー格好良い。早速セットアップしていきます。
いまから1st genを使う場合の注意点
新品在庫品の場合、OSのバージョンが古いのでアップデートが必要です。
これが非常に手間。先に書いておきますが、何度も充電が必要になりますので結構時間かかります。
自分の場合、ひとまず環境が整って使い始めるまでに4時間近くかかりました…。
気長にやりましょう。
本機のOSは「Android Wear」です。時計単体では通信できないため、システムアップデートにも母艦となるスマホとの接続が必須となります。
何はともあれ、まずは母艦となるスマホに「Android Wear」アプリをインストール。
その後Bluetoothの設定画面からではなく、このアプリからペアリングの設定を行います。
設定画面から行ってしまうとアプリ側で時計を正しく認識しないこともありますので注意が必要です。
画面の指示に従ってペアリングが完了すると、ようやく時計が通信を行えるようになります。
Googleマップや翻訳など、「既に母艦にインストールされていて、Android Wearに対応しているアプリ」の転送が勝手に始まりますので、焦らずに一旦アプリの転送が終わるのを待ちましょう。転送が完了すると、時計の画面上に通知されます。
一通り転送が終了したら、時計のランチャーから設定⇒端末情報⇒システムアップデートをタップして、OSをアップデートしていきます。
ちなみにここで電池残量が80%を切っていると充電するよう促されるんですが、アプリの転送にはかなり電池を食いますので、ここで大半の人が充電台に時計を置くはずですw
元のOSのバージョンにもよりますが、上記手順を2~3回繰り返してOSが最新の状態となればアップデートは完了。
現時点で本機の最新ファームウェアは「Android Wear 1.4.0.2580363」です。
OS標準の機能・使用感について
自分は通知機能がメインの用途なので、必要なアプリの通知がきちんと手首に届くというだけで充分実用的に使えています。
通知するアプリの設定も「Android Wear」アプリから簡単に設定できますし、LINEの通知など、メッセンジャーアプリの通知に直接返信できるのはうれしい誤算でした。
簡単なやりとりであれば手首だけで済んでしまいます。これは徒歩で移動中に特に便利です。
文字のインプットは音声入力がメインとなりますが、自分の場合は特に問題なく認識してくれています。任意の変換ができないため、一般的でない単語や口語的すぎる表現、擬音などは誤変換されてしまう点に注意が必要です。なるべく短く、シンプルな返信を心がけるとストレス無く利用できるかと思います。
なお間違って入力された場合は画面を右スワイプ、もしくは送信中に真ん中の×を押してキャンセルすれば再度入力できます。
GmailやTwitterなどは、標準では冒頭部分のみの通知となります。別途アプリを入れれば全文表示したりツイートできたりしますが、一通り試してみた結果これらはスマホで作業したほうが良いように思えましたので、ここは通知のみ利用しています。
通知は簡単にOFFすることも可能です。参加しているグループチャットが活発に動いているときなど、逐一通知が来るのが煩わしい場面もあるかと思います。
その場合、画面上端から下へスワイプすると「通知を非表示」するバーが降りてきますので、タップして非表示に設定できます。
通知を再開したい場合も同じ手順で設定可能です。この画面で左右にスワイプすると、画面の明るさの強調やシアターモードの設定ができます。
その他、地味に便利なのがデフォルトで搭載されている「スマートフォン検索」機能です。行方不明となったスマホを探す機能なんですが、自分は家の中でよくスマホが行方不明になるので、この機能が標準装備されているのはとてもありがたいと思います。
スマホがマナーモードに設定されていても音が鳴りますので安心です(大抵、何かの下に埋もれています…)。
この機能はスマホと時計の接続が維持されている範囲でのみ有効。
本機のBluetoothはVer4.0となり、かなり離れていても接続が維持されますが、もちろん限界はありますので、どこかに落としてきたというような場合は「Androidデバイスマネージャー」を利用して捜索することになります。
他にもアラームや天気、リマインダやFitなど便利な機能がOS標準で備わっています。これらは最新のファームウェアであればすべてデフォルトで使える機能です。別途カスタマイズしなくてもこれだけの機能が利用できますので、現時点で一般的なスマートウォッチに求められることの大半は網羅できているんじゃないでしょうか。
Android Wear対応アプリについて
ネット上では「必須アプリ」と名高い「Wear Mini Louncher」を始めとするランチャーアプリですが、自分はあまり必要性を感じませんでした。
多機能ゆえ動作も重くなりますし、常駐することでバッテリー面でも不安を感じます。また母艦との連携がなかなか確立できず、「繋がってないよん」というエラーが何回も出てしまいました。自分の環境だけかも知れませんが、これが結構なストレスだったので速攻アンインストール。
そもそも通知がメインの自分の使い方では、積極的にWearアプリを起動しに行く機会が少ないので、あまり必要ないのかも知れません。純正のランチャーで充分。
翻訳
Map
Keep
Wear Browser
普段能動的に使うアプリはこの程度。ほとんどがGoogle謹製です。
観光地に住んでいるため外人に道を訊かれることが多いんですが、翻訳アプリはかなり重宝します。翻訳結果を相手に見せるときにフェイスを相手側に向けると、相手の言語で大きく表示される機能が便利です。
Keepはスマホ版を普段からメモ代わりに使っていましたので普通に便利でした。
入力は音声で行いますが、ちょっとした内容であれば問題ありません。
GoogleMapとブラウザは実用性はともかくとして「未来来た!」感がかなりあります。
時計上でブラウジングできます。検索については音声入力の他、QWERTYキーボードも用意されています。
システムツール系のアプリも沢山紹介されていますが、自分は下記の2つだけ使用しています。
Find your phone
タスクマネージャ
バッテリー監視系のアプリを推奨しているレビューも見かけますが、個人的には母艦のAndroid Wearアプリで確認できるので不要かと思います。
タスクマネージャはタスクキル用です。時計のRAMは512MBしかないので、メモリ不足で動作がもっさりしないよう、重めの操作をしたあとに使用しています。
ウォッチフェイスについて
そのうち自作したい気持ちもありますが、ひとまず気に入ったウォッチフェイスを何種類か購入して使用しています。
いちばん使っているメインのフェイスはこちら。
非常に万能に使える、スタンダードかつ落ち着きのあるフェイスです。
クラシックな見た目ながら日にちと曜日、時計と母艦の電池残量も確認できるところが便利。
夜18時以降はブラックの盤面に変化するギミックもスマートで格好良く、お気に入りです。
俺はUKが好きだ!
なんとなく月の満ち欠けを気にしながら日々生きているので、月齢のわかるフェイスがひとつくらい欲しいと思い購入。
電池持ちについて
さて、本機最大の懸念点が「電池持ち」についてです。
・BT常時接続
・アンビエントオフ
・画面常時点灯
・1時間に2~3件程の通知・返信
自分の場合こんな使い方で、電池の減り方は5%/1時間という感じ。単純に考えて20時間は持つ計算になります。
実運用上でもだいたいそれくらいで、満充電状態から朝出かけた場合、夜中に帰宅するまでに電池が切れて困ったということはいまのところありませんでした。
これはあくまで通知メインの受動的な使い方をした場合です。能動的な使い方(例えば、上述のブラウザでネットサーフィンするとか)をした場合、凄まじい勢いで電池が減っていきます。電池残量と引き換えに、ちょっと未来を感じられるという仕様のようです…w
Qi充電は便利なんですが、出先で気軽に充電という訳にも行かないところも悩ましい点。
オフィスにひとつ充電台を置いておくのもアリですが、移動中に充電できないという不安は残ります。まあずっと手で持って固定していればできないこともないですが…。
Qi充電+通常のmicroUSBなど、有線での充電も可能であれば心強いと感じました。
後継機となるMoto 360 (2nd)は省電力かつハイパワーなチップセットが採用されていることもあり、電池持ちが大きく改善されているようです(「4日くらい保つ」とのレビューもあり)。
能動的にバリバリ使っても丸1日は保ちそうで、ここは純粋に後継モデルの優れた点であり、2ndを購入する大きな理由になるかと思います。CPUパワーも1stのシングルコアからクアッドコアになっており、積極的に時計を使っていくというスタイルに対応し得るスペックとなっています。
ちなみに1stは長期在庫品でバッテリーが死んでいたとのレビューもありましたが、自分のところに届いた個体はそんなこともなく、至って正常に充電できています。
総評:ウェアラブル次世代まではこれで充分かも
スマートウォッチ、というかAndroid Wearは、現時点ではあくまで「受身」で使うものだと感じました。
少なくとも本機はそのような使い方が向いているかと思います。
受け身で使う分には現状、必要な機能は充分に満たしているように感じますし、毎日の充電に目を瞑れば現在でも本機を選択肢に含めるのは充分「あり」なんじゃないでしょうか。
積極的に使うと未来を感じられるのも楽しいポイントです。
数年前には考えられなかった世界に足を踏み入れているんだなと実感できる、そんな夢のあるガジェットだと思います。
以下余談。
①現状できることと実用性を考えると、本機の定価や後継モデルである2ndの価格設定はやや高いのかも知れません。
スマートウォッチ自体まだまだ需要の低いジャンルのガジェットですし、近々登場するAndroid Wear 2.0からどのように進展していくのか?
楽しみに見守って行きたいと思います。
②コストパフォーマンスを追求した場合、Moto 360 Sportが現状最強だと思います。
1stとほとんど変わらない値段で買えるにも関わらず、中身は2ndよりも多機能という高コスパぶり。
見た目が気にならないなら迷わずこちらを選択すべきと思います。
ちょっと自分も一本欲しくなってきた…。
③余談も余談ですが、本機を注文したその日にちょうどこの記事がニュースサイトに掲載されてちょっと落ち込みましたw
3rdの発売、気長に待ちたいと思います。